古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 312番

吹きむすぶ

小野小町(おののこまち)

吹いて露を結ぶ風は昔と同じ秋の風なのに、以前とは似ても似つかない、袖の涙の露であることよ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
小野小町
  1. 1吹ふ吹ふふきむすぶきむすぶきむすぶ初句
  2. 2風かぜ風かぜかぜはははむかしのむかしのむかしの二句
  3. 3秋あき秋あきあきながらながらながら三句
  4. 4ありしにもありしにもありしにも似に似ににぬぬぬ四句
  5. 5袖そで袖そでそでののの露つゆ露つゆつゆかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

吹いて露を結ぶ風は昔と同じ秋の風なのに、以前とは似ても似つかない、袖の涙の露であることよ。

意訳

秋風は昔と変わらず吹いているのに、わが袖を濡らす涙は、昔とは比べものにならないほど多い。

語釈・文法注

ありしにも似ぬ
以前とは似ていない。

和歌

作者
小野小町(おののこまち) 生没年未詳(九世紀中頃)
仁明・文徳天皇の頃の女性歌人。経歴はほとんどわからないが、仮名序は「あはれなるやうにてつよからず」と評し、恋の歌、ことに夢の歌に優れる。美女の伝説が多く生まれた。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・312番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

小野小町の歌として伝わる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、55頁(コマ37)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日