古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 305番

荻の葉も

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

荻の葉も約束があるからだろうか。秋風が最初に訪れてくる、妻戸のそばに生えているのは。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1崇德院すとくゐん崇德院すとくゐんすとくいんににに百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2荻をぎ荻をぎおぎののの葉は葉ははももも初句
  3. 3契ちぎり契ちぎりちぎりありてやありてやありてや二句
  4. 4秋あき秋あきあき風かぜ風かぜかぜののの三句
  5. 5音おと音おとおとづれそむるづれそむるずれそむる四句
  6. 6妻つま妻つまつま戶ど戶どどなるらむなるらむなるらむ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕崇徳院に百首歌を献上しました時の歌。

荻の葉も約束があるからだろうか。秋風が最初に訪れてくる、妻戸のそばに生えているのは。

意訳

秋風は、まず妻戸のそばの荻の葉を鳴らして訪れてくる。荻の葉には、秋風と何か約束でもあるのだろうか。

語釈・文法注

妻戶
寝殿造りの、両開きの板戸。恋人が訪れる戸口でもある。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・305番
歌体
短歌
状況
詞書「崇德院に百首の歌奉りし時」(崇徳院に百首歌を献上しました時の歌)。

解説

俊成の歌。底本は結句を「妻戸なるらむ」とするが、「妻戸なりけむ」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、54頁(コマ37)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日