古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 301番

水澁つき

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

水渋をつけて植えた山田に、鳴子の板を張りめぐらして、また袖を濡らす秋がやって来たことだ。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1崇德院すとくゐん崇德院すとくゐんすとくいんににに百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりけるりけるりける時とき時ときとき詞書
  2. 2水澁みしぶ水澁みしぶみしぶつきつきつき初句
  3. 3植う植ううゑしゑしえし山田やまだ山田やまだやまだににに二句
  4. 4引板ひた引板ひたひたはははへてへてえて三句
  5. 5又また又またまた袖そで袖そでそでぬらすぬらすぬらす四句
  6. 6秋あき秋あきあきははは來き來ききにけりにけりにけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕崇徳院に百首歌を献上しました時の歌。

水渋をつけて植えた山田に、鳴子の板を張りめぐらして、また袖を濡らす秋がやって来たことだ。

意訳

田植えの時、泥水に袖を汚して苗を植えた山田。秋になると、鳥を追う鳴子を張り、夜露に袖を濡らしながら番をする季節がまたやって来た。

語釈・文法注

水澁
水の表面に浮く赤茶色の汚れ。
引板
鳴子。鳥獣を追い払うために田に張る板。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・301番
歌体
短歌
状況
詞書「崇德院に百首の歌奉りける時」(崇徳院に百首歌を献上しました時の歌)。

解説

俊成の『久安百首』の歌。農事の苦労を通して秋の訪れを詠む。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、53頁(コマ36)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日