古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 293番

深草の

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

深草の露をよりどころとする約束として、里を離れずに、秋はやって来たことだ。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1千五百番せんごひやくばん千五百番せんごひやくばんせんごひゃくばん歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2深草ふかくさ深草ふかくさふかくさののの初句
  3. 3露つゆ露つゆつゆのよすがのよすがのよすがををを二句
  4. 4契ちぎり契ちぎりちぎりにてにてにて三句
  5. 5里さと里さとさとをばかれずをばかれずをばかれず四句
  6. 6秋あき秋あきあきははは來き來ききにけりにけりにけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。

深草の露をよりどころとする約束として、里を離れずに、秋はやって来たことだ。

意訳

人の訪れの絶えた深草の里にも、露をよりどころにして、秋だけは約束を守るように必ずやって来る。

語釈・文法注

深草
山城国の地名。『伊勢物語』の「深草の里」で知られる。
よすが
よりどころ。
かれず
離れず。「枯れず」を響かせる。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・293番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

本歌取り
『伊勢物語』第百二十三段の「野とならば鶉となりて鳴きをらむ狩にだにやは君は来ざらむ」の世界をふまえる。

解説

良経の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、52頁(コマ36)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日