古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第四 秋歌上 285番

神南備の

大伴家持(おおとものやかもち)

神奈備の三室の山の葛かずらの葉を、裏返すように吹く秋風の季節がやって来たことだ。

作者
中納言家持(大伴家持)
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2神南備かむなび神南備かむなびかんなびののの初句
  3. 3三室みむろ三室みむろみむろののの山やま山やまやまののの二句
  4. 4葛くず葛くずくずかづらかづらかずら三句
  5. 5うらうらうら吹ふ吹ふふきかへすきかへすきかえす四句
  6. 6秋あき秋あきあきははは來き來ききにけりにけりにけり結句

引用の仕方

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現代語訳

神奈備の三室の山の葛かずらの葉を、裏返すように吹く秋風の季節がやって来たことだ。

意訳

神奈備の三室山に生える葛の葉を、秋風が裏返して白い葉裏を見せている。秋の訪れを、風にひるがえる葛の葉でとらえる。

語釈・文法注

神南備の三室の山
神が降りるとされた大和の山。
葛かづら
葛のつる。葉の裏が白い。
うら吹きかへす
葉の裏を見せるように吹き返す。

和歌

作者
大伴家持(おおとものやかもち) 718?–785
大伴旅人の子。越中守などを経て中納言に至った。『万葉集』の編纂に深く関わったとされ、同集に最も多くの歌を残す。繊細で抒情的な歌風で知られる。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・285番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

家持の歌として伝わる歌で、巻第四・秋歌上の巻頭歌。葛の葉裏を見せる秋風は、のちに「恨み」を響かせて恋の歌にも詠まれた。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、51頁(コマ35)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日