新古今和歌集 巻第四 秋歌上 286番
いつしかと
いつの間にか、荻の葉がいっせいに片方になびいて、「そよそよ、秋だよ」と風も聞こえることだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌に、初秋の心を詠んだ歌。
いつの間にか、荻の葉がいっせいに片方になびいて、「そよそよ、秋だよ」と風も聞こえることだ。
意訳
早くも秋風が吹き、荻の葉がいっせいに一方へなびいている。その葉ずれの音が、「そよ、秋だ」と告げているかのように聞こえる。
語釈・文法注
- 葉むけ
- 葉が一方に向いてなびくこと。
- 片より
- 片方に寄ること。
- そゞや
- 「そよそよ」と、「それよ(そうだ)」を響かせる。
和歌
- 作者
- 崇徳院(すとくいん) 1119–1164
第七十五代天皇。保元の乱(1156)に敗れて讃岐に配流され、その地で没した。和歌を好み、『久安百首』を詠進させ、六番目の勅撰集『詞花和歌集』の撰集を命じた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第四・秋歌上・286番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌に初秋の心を」(百首歌に、初秋の心を詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「そゞや」に荻の葉音と「それよ」を掛ける。
解説
崇徳院の『久安百首』での作。底本は第四句を「そゞや秋とぞ」とするが、「そらや秋とぞ」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、51頁(コマ35)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日