新古今和歌集 巻第三 夏歌 277番
黄昏の
夕暮れの軒端の荻に、ともすると、まだ穂に出ない秋が、ひそかに訪れてくる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌を詠みました中に。
夕暮れの軒端の荻に、ともすると、まだ穂に出ない秋が、ひそかに訪れてくる。
意訳
夕暮れ、軒端の荻がそよぐ。まだ穂も出ていないのに、その葉音の中に、早くも秋がひそかに訪れてくるのが感じられる。
語釈・文法注
- ほにいでぬ
- 穂に出ない。表に現れない。
- ことゝふ
- 訪れる。問いかける。
和歌
- 作者
- 式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・277番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌よみ侍りける中に」(百首歌を詠みました中に)。
解説
式子内親王の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、49頁(コマ34)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日