古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 278番

雲まよふ

慈円(じえん)

雲が乱れる夕べに秋の気配をこめていながら、風もまだはっきりとは吹き出さない、荻の上であることよ。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1夏なつ夏なつなつののの歌うた歌うたうたとてよみとてよみとてよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2雲くも雲くもくもまよふまよふまよう初句
  3. 3夕ゆふべ夕ゆふべゆうべににに秋あき秋あきあきををを二句
  4. 4こめながらこめながらこめながら三句
  5. 5風かぜ風かぜかぜもほにもほにもほに出い出いいでぬでぬでぬ四句
  6. 6荻をぎ荻をぎおぎののの上うへ上うへうえかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕夏の歌として詠みました歌。

雲が乱れる夕べに秋の気配をこめていながら、風もまだはっきりとは吹き出さない、荻の上であることよ。

意訳

夕べの空に雲が乱れ、秋の気配が満ちている。けれども、荻の葉を鳴らす秋風は、まだはっきりとは吹いていない。

語釈・文法注

ほに出でぬ
はっきり表に出ない。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・278番
歌体
短歌
状況
詞書「夏の歌とてよみ侍りける」(夏の歌として詠みました歌)。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、49頁(コマ34)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日