新古今和歌集 巻第三 夏歌 261番
涼しさは
この涼しさは、秋が帰ってきたのだろうか。初瀬川の布留川のほとりの、杉の木陰では。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕摂政太政大臣(良経)の家で、漢詩と和歌を合わせました時に、「水辺はおのずから秋涼し」という題で詠みました歌。
この涼しさは、秋が帰ってきたのだろうか。初瀬川の布留川のほとりの、杉の木陰では。
意訳
初瀬川・布留川のほとりの杉の木陰はとても涼しく、まるで秋が戻ってきたかのようだ。
語釈・文法注
- 初瀨川
- 大和国の初瀬を流れる川。「(秋や)かへりて果つ」を響かせる。
- 布留河
- 大和国の布留を流れる川。
和歌
- 作者
- 藤原有家(ふじわらのありいえ) 1155–1216
藤原重家の子で、六条藤家の歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。大蔵卿に至った。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・261番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「攝政太政大臣の家にて、詩歌を合せけるに、水邊自秋涼といふことをよみ侍りける」(摂政太政大臣(良経)の家で、漢詩と和歌を合わせました時に、「水辺はおのずから秋涼し」という題で詠みました歌)。
修辞
- 本歌取り
- 「初瀬川古川の辺に二本ある杉年を経てまたも逢ひ見む二本ある杉」(古今集)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
有家の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、46頁(コマ33)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日