新古今和歌集 巻第三 夏歌 262番
道の邊に
道のほとりに清水が流れる柳の木陰に、しばらくの間だけと思って立ち止まったのだった。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
道のほとりに清水が流れる柳の木陰に、しばらくの間だけと思って立ち止まったのだった。
意訳
道ばたの柳の木陰に清水が流れていた。ほんの少しだけ休むつもりで立ち止まったのに、あまりの心地よさに、つい長居をしてしまった。
語釈・文法注
- 柳蔭
- 柳の木陰。
- しばしとてこそ
- しばらくと思って。「こそ」の結びで「つれ」は已然形。逆接の余情。
和歌
- 作者
- 西行法師(さいぎょうほうし) 1118–1190
俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽院の北面の武士だったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。自然と人生の哀感を率直に詠み、『新古今和歌集』に最も多い九十四首が入る。家集に『山家集』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・262番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 係り結び
- 「しばしとてこそ立ちとまりつれ」。
解説
西行の代表作の一つ。百人一首には採られていないが、のちに芭蕉が『おくのほそ道』の遊行柳の段でこの歌をふまえた。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、46〜47頁(コマ33)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日