古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 254番

久方の

藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか))

月の中にあるという桂の名をもつ桂川の鵜飼い舟は、どのような約束をして、月のない闇夜を待つのだろうか。

詞書
「千五百番歌合に」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原定家朝臣(藤原定家)
  1. 1久方ひさかた久方ひさかたひさかたののの初句
  2. 2中なか中なかなかなるなるなる河かは河かはかわののの二句
  3. 3鵜う鵜ううかひかひかい舟ぶね舟ぶねぶね三句
  4. 4いかにいかにいかに契ちぎ契ちぎちぎりてりてりて四句
  5. 5闇やみ闇やみやみををを待ま待ままつらむつらむつらむ結句

引用の仕方

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現代語訳

月の中にあるという桂の名をもつ桂川の鵜飼い舟は、どのような約束をして、月のない闇夜を待つのだろうか。

意訳

鵜飼いは月のない闇夜にするものだ。月の中の桂の木にちなむ名の桂川の鵜飼い舟が、月を嫌って闇を待つのは、どんな約束をしたからなのだろう。

語釈・文法注

久方の中なる河
月の中にあるという桂にちなみ、桂川をいう。「久方の」は月や天にかかる枕詞。
闇を待つ
鵜飼いは月のない闇夜に行う。

和歌

作者
藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・254番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

解説

定家の歌。月と闇の対比を、凝ったことばの連想で詠む。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、45頁(コマ32)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日