古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 252番

鵜かひ舟

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

鵜飼い舟が浅瀬を棹さして越えていくところなのだろうか。乱れもつれていく、かがり火の光よ。

詞書
「攝政太政大臣の家の百首の歌合に、鵜河をよみ侍りける」(前の歌と同じ詞書)
作者
寂蓮法師
  1. 1鵜う鵜ううかひかひかい舟ぶね舟ぶねぶね初句
  2. 2高たか高たかたか瀨せ瀨せせさしこすさしこすさしこす二句
  3. 3程ほど程ほどほどなれやなれやなれや三句
  4. 4むすほほれゆくむすほほれゆくむすぼおれゆく四句
  5. 5篝火かがりび篝火かがりびかがりびののの影かげ影かげかげ結句

引用の仕方

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現代語訳

鵜飼い舟が浅瀬を棹さして越えていくところなのだろうか。乱れもつれていく、かがり火の光よ。

意訳

鵜飼い舟が浅瀬を越えていくのだろう。水面に映るかがり火の光が、揺れてもつれあうように乱れていく。

語釈・文法注

高瀨
浅瀬。
程なれや
ちょうどその時だからだろうか。
むすぼほれ
もつれ乱れる。心がふさぐ意にも用いる。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・252番
歌体
短歌
状況
詞書「攝政太政大臣の家の百首の歌合に、鵜河をよみ侍りける」(摂政太政大臣(良経)の家の百首歌合で、「鵜河(鵜飼いの川)」という題で詠みました歌)。

修辞

体言止め
「篝火の影」。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、45頁(コマ32)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日