古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 245番

橘の

俊成女(藤原俊成女)(としなりのむすめ(しゅんぜいのむすめ))

橘の花が香るあたりでのうたた寝では、夢の中でも昔の人の袖の香りがすることだ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
皇太后宮大夫俊成女(俊成女(藤原俊成女))
  1. 1橘たちばな橘たちばなたちばなののの初句
  2. 2匂にほ匂にほにおふあたりのふあたりのうあたりの二句
  3. 3うたゝねはうたゝねはうたたねは三句
  4. 4夢ゆめ夢ゆめゆめももも昔むかし昔むかしむかしののの四句
  5. 5袖そで袖そでそでののの香か香かかぞするぞするぞする結句

引用の仕方

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現代語訳

橘の花が香るあたりでのうたた寝では、夢の中でも昔の人の袖の香りがすることだ。

意訳

橘の香りが漂うあたりでうたた寝をすると、見る夢の中にまで、昔の恋人の袖の香りが漂ってくる。

語釈・文法注

うたゝね
うたた寝。
昔の袖の香
昔の人の袖の香り。

和歌

作者
俊成女(藤原俊成女)(としなりのむすめ(しゅんぜいのむすめ)) 1171?–1254?
藤原俊成の孫で、養女となった。源通具の妻。後鳥羽院に仕え、千五百番歌合などで活躍した。余情に富む妖艶な歌風で、新古今時代を代表する女性歌人。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・245番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

本歌取り
「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」をふまえる。

解説

俊成女の代表作の一つ。夢とうつつ、香りと記憶が溶けあう新古今調の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、44頁(コマ32)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日