古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 236番

郭公

後鳥羽院(ごとばいん)

ほととぎすは雲の彼方の遠くを過ぎていったようだ。晴れない思いを抱く、五月雨のころに。

作者
太上天皇(後鳥羽院)
  1. 1太神宮だいじんぐう太神宮だいじんぐうだいじんぐうににに奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし夏なつ夏なつなつののの歌うた歌うたうたののの中なか中なかなかににに詞書
  2. 2郭公ほととぎす郭公ほととぎすほととぎす初句
  3. 3雲井くもゐ雲井くもゐくもいのよそにのよそにのよそに二句
  4. 4過す過すすぎぬなりぎぬなりぎぬなり三句
  5. 5晴は晴ははれぬれぬれぬ思おも思おもおもひのひのいの四句
  6. 6五月雨さみだれ五月雨さみだれさみだれのころのころのころ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕伊勢神宮に奉納した夏の歌の中に詠んだ歌。

ほととぎすは雲の彼方の遠くを過ぎていったようだ。晴れない思いを抱く、五月雨のころに。

意訳

ほととぎすの声が雲の向こうの遠い空を通り過ぎていった。五月雨の空と同じく、私の心も晴れないままだ。

語釈・文法注

雲井のよそ
雲の彼方、遠いところ。
過ぎぬなり
過ぎていったようだ。

和歌

作者
後鳥羽院(ごとばいん) 1180–1239
第八十二代天皇。譲位後に院政を行い、和歌所を置いて『新古今和歌集』の撰集を命じ、自らも撰歌と切継に深く関わった。承久の乱(1221)に敗れて隠岐に配流され、配所でも集の精選(隠岐本)を続けた。『新古今和歌集』では「太上天皇」と記され、三十三首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・236番
歌体
短歌
状況
詞書「太神宮に奉りし夏の歌の中に」(伊勢神宮に奉納した夏の歌の中に詠んだ歌)。

修辞

体言止め
体言止め。

解説

後鳥羽院が伊勢神宮に奉納した歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、42頁(コマ31)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日