新古今和歌集 巻第三 夏歌 235番
五月雨の
五月雨のころの月はつれなく出てこないのに、その深い山から、ひとり出てきて鳴くほととぎすであることよ。
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現代語訳
〔詞書〕五十首歌を献上した時の歌。
五月雨のころの月はつれなく出てこないのに、その深い山から、ひとり出てきて鳴くほととぎすであることよ。
意訳
五月雨の空では、月はつれなく山に隠れて出てこない。それなのに、その山の奥から、ほととぎすだけはひとり出てきて鳴いてくれる。
語釈・文法注
- つれなき
- 冷淡な。出てこない。
- ひとりも
- ひとりででも。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・235番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首歌を献上した時の歌)。
解説
定家の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、42頁(コマ31)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日