新古今和歌集 巻第三 夏歌 232番
玉鉾の
道を行く人に託す便りも途絶えて、時が過ぎていく五月雨の空よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕五月雨の心を詠んだ歌。
道を行く人に託す便りも途絶えて、時が過ぎていく五月雨の空よ。
意訳
五月雨が降り続いて道を行く人もいなくなり、誰かに便りを託すこともできない。人との交わりも絶えたまま、日が過ぎていく。
語釈・文法注
- 玉鉾の
- 「道」にかかる枕詞。
- ことづて
- 伝言、便り。
- 程ふる
- 時が経つ。「降る」を響かせる。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・232番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「五月雨の心を」(五月雨の心を詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ふる」に「経る」と「降る」を掛ける。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、41頁(コマ30)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日