新古今和歌集 巻第三 夏歌 226番
小山田に
山の田に引き渡した注連縄は、ずっと引き延ばされたまま、朽ちてしまったのではないだろうか。五月雨の降り続くころに。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕釈阿(藤原俊成)に九十の賀を賜りました時の、屏風の「五月雨」の絵に添えた歌。
山の田に引き渡した注連縄は、ずっと引き延ばされたまま、朽ちてしまったのではないだろうか。五月雨の降り続くころに。
意訳
山あいの田に張った注連縄は、五月雨が長く降り続くので、ずっと濡れ続けて朽ちてしまったのではないかと思われる。
語釈・文法注
- 小山田
- 山の田。「を」は接頭語。
- 打ちはへて
- 長く引き延ばして。ずっと続いて。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・226番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「釋阿に九十の賀給はせ侍りし時、屏風に五月雨」(釈阿(藤原俊成)に九十の賀を賜りました時の、屏風の「五月雨」の絵に添えた歌)。
修辞
- 序詞
- 「小山田にひく注連繩の」が「うちはへて」を導く。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
良経の屏風歌。俊成の九十賀の屏風に添えたもの。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、40頁(コマ30)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日