古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 215番

聲はして

式子内親王(しょくしないしんのう)

声はしていて、雲の中の道でむせび泣くほととぎすよ。その涙が注ぐのか、宵の村雨は。

作者
式子內親王(式子内親王)
  1. 1百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしにりしにりしに詞書
  2. 2聲こゑ聲こゑこえはははしてしてして初句
  3. 3雲くも雲くもくも路ぢ路ぢじにむせぶにむせぶにむせぶ二句
  4. 4ほとゝぎすほとゝぎすほととぎす三句
  5. 5淚なみだ淚なみだなみだやそゝぐやそゝぐやそそぐ四句
  6. 6宵よひ宵よひよいののの村雨むらさめ村雨むらさめむらさめ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。

声はしていて、雲の中の道でむせび泣くほととぎすよ。その涙が注ぐのか、宵の村雨は。

意訳

宵の空から、ほととぎすの声が雲に包まれてむせぶように聞こえてくる。降りだした村雨は、ほととぎすの流す涙なのだろうか。

語釈・文法注

雲路
雲の中の道。
むせぶ
むせび泣く。声がこもって聞こえる。

和歌

作者
式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・215番
歌体
短歌
状況
詞書「百首の歌奉りしに」(百首歌を献上した時の歌)。

修辞

見立て
村雨をほととぎすの涙に見立てる。
体言止め
体言止め。

解説

式子内親王の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、38〜39頁(コマ29)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日