新古今和歌集 巻第三 夏歌 216番
郭公
ほととぎすよ、やはりお前をうとましく思えない心であることよ。お前がよその里で鳴いている夕暮れであっても。
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現代語訳
〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。
ほととぎすよ、やはりお前をうとましく思えない心であることよ。お前がよその里で鳴いている夕暮れであっても。
意訳
ほととぎすがよその里で鳴いているのを、遠くから聞く夕暮れ。自分の所で鳴いてくれないのは恨めしいはずなのに、やはり嫌いにはなれない。
語釈・文法注
- うとまれぬ
- うとましく思えない。「れ」は自発。
- 汝
- お前。
和歌
- 作者
- 藤原公経(西園寺公経)(ふじわらのきんつね) 1171–1244
藤原実宗の子で、藤原定家の妻の弟。太政大臣に至った。承久の乱では幕府方に通じ、乱後は朝廷の実権を握った。京都の北山に西園寺を建て、西園寺家の祖となった。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・216番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。
修辞
- 本歌取り
- 「ほととぎす汝が鳴く里のあまたあればなほうとまれぬ思ふものから」(古今集)をふまえる。
解説
公経の歌。古今集の歌を下敷きに、遠い声への愛着を詠む。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、39頁(コマ29)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日