新古今和歌集 巻第三 夏歌 214番
いかにせむ
どうしたらよいだろう。来ない夜が幾夜も重なるほととぎすを、もう待つまいと思うと、村雨の降る空になる。
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現代語訳
どうしたらよいだろう。来ない夜が幾夜も重なるほととぎすを、もう待つまいと思うと、村雨の降る空になる。
意訳
幾夜待ってもほととぎすは来ない。もう待つのはやめようと思ったとたん、ほととぎすの鳴きそうな村雨の空になった。あきらめきれない心を詠む。
語釈・文法注
- 來ぬ夜あまた
- 来ない夜が多く重なる。
- 村雨
- にわか雨。ほととぎすは雨の夜によく鳴くとされた。
和歌
- 作者
- 藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・214番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「題しらす」。
修辞
- 本歌取り
- 「頼めつつ来ぬ夜あまたになりぬれば待たじと思ふぞ待つにまされる」(拾遺集、柿本人麻呂)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
家隆の歌。恋の歌のことばを借りて、ほととぎすを待つ心を詠む。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、38頁(コマ29)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日