新古今和歌集 巻第三 夏歌 213番
過ぎにけり
過ぎ去ってしまったことだ、信太の森のほととぎすは。絶えず落ちる雫を、私の袖に残して。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「杜間の郭公(森の中のほととぎす)」という題で詠んだ歌。
過ぎ去ってしまったことだ、信太の森のほととぎすは。絶えず落ちる雫を、私の袖に残して。
意訳
ほととぎすは信太の森を鳴きながら飛び去ってしまった。後には、森の木々から絶えず落ちる雫と、名残を惜しむ涙とで濡れた袖だけが残った。
語釈・文法注
- 信太の森
- 和泉国(大阪府和泉市)の森。楠の大木で知られる歌枕。
- たえぬ雫
- 絶えず落ちる雫。涙をも思わせる。
和歌
- 作者
- 藤原保季(ふじわらのやすすえ) 1171–1240?
藤原隆範の子。歌合などに出詠した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・213番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「杜間の郭公といふことを」(「杜間の郭公(森の中のほととぎす)」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 初句切れ・倒置法
- 初句切れ・倒置法。
解説
作者の保季は藤原隆範の子。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、38頁(コマ29)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日