古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 209番

有明の

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

冷ややかに見えた有明の月は出てしまった。山ほととぎすを待つ夜のままで。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1千五百番せんごひやくばん千五百番せんごひやくばんせんごひゃくばん歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2有明ありあけ有明ありあけありあけののの初句
  3. 3つれなくつれなくつれなく見み見みみえしえしえし二句
  4. 4月つき月つきつきははは出い出いいでぬでぬでぬ三句
  5. 5山やま山やまやまほとゝぎすほとゝぎすほととぎす四句
  6. 6待ま待ままつつつ夜よ夜よよながらにながらにながらに結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。

冷ややかに見えた有明の月は出てしまった。山ほととぎすを待つ夜のままで。

意訳

ほととぎすを待って一晩中起きていたが、ついに鳴かず、つれない顔をした有明の月が出てしまった。待つ夜のまま、夜が明けようとしている。

語釈・文法注

つれなく見えし
冷淡に見えた。
まつ夜ながらに
待つ夜のままで。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・209番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

本歌取り
「有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし」(壬生忠岑、百人一首30番)をふまえる。

解説

良経の歌。忠岑の恋の歌のことばを、ほととぎすを待つ夏の夜に移している。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、37頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日