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新古今和歌集 巻第三 夏歌 201番

むかし思ふ

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

昔を思い出している草の庵の、夜の雨に、涙を添えないでおくれ、山ほととぎすよ。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1入道前關白にふだうさきのくわんぱく入道前關白にふだうさきのくわんぱくにゅうどうさきのかんぱく、、、右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじんににに侍はべ侍はべはべりけるりけるりける時とき時ときとき、、、百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうたよませよませよませ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける時とき時ときとき、、、郭公ほととぎす郭公ほととぎすほととぎすののの歌うた歌うたうた詞書
  2. 2むかしむかしむかし思おも思おもおもふふう初句
  3. 3草くさ草くさくさののの庵いほり庵いほりいおりののの二句
  4. 4夜よる夜よるよるののの雨あめ雨あめあめににに三句
  5. 5淚なみだ淚なみだなみだななな添そ添そそへそへそえそ四句
  6. 6山やま山やまやまほとゝぎすほとゝぎすほととぎす結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕入道前関白(藤原兼実)が右大臣であった時、百首歌を詠ませました折の、ほととぎすの歌。

昔を思い出している草の庵の、夜の雨に、涙を添えないでおくれ、山ほととぎすよ。

意訳

草の庵で夜の雨の音を聞きながら、昔のことを思い出している。そこへほととぎすが鳴くと、ますます涙が誘われる。山ほととぎすよ、これ以上涙を添えないでくれ。

語釈・文法注

草の庵
草ぶきの粗末な住まい。
淚な添へそ
「な〜そ」は禁止。涙を添えないでくれ。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・201番
歌体
短歌
状況
詞書「入道前關白、右大臣に侍りける時、百首の歌よませ侍りける時、郭公の歌」(入道前関白(藤原兼実)が右大臣であった時、百首歌を詠ませました折の、ほととぎすの歌)。

修辞

本歌取り
白居易の詩句「蘭省の花の時錦帳の下、廬山の雨の夜草庵の中」をふまえる。

解説

俊成の代表作の一つ。漢詩の世界を背景に、雨夜の草庵の寂しさとほととぎすの声を重ねる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、36頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日