新古今和歌集 巻第三 夏歌 200番
卯の花の
卯の花の垣根ではないけれど、ほととぎすが月の桂の陰で鳴いているようだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕神館で、ほととぎすの声を聞いて詠んだ歌。
卯の花の垣根ではないけれど、ほととぎすが月の桂の陰で鳴いているようだ。
意訳
ほととぎすはふつう卯の花の垣根で鳴くものだが、今夜は月の中に生えるという桂の木の陰で鳴いているように聞こえる。月の明るい夜、空からほととぎすの声が聞こえてくる。
語釈・文法注
- 月の桂
- 月に生えているという伝説の桂の木。賀茂の祭では葵と桂を飾った。
- 鳴くなり
- 鳴いているようだ。「なり」は音による推定。
和歌
- 作者
- 大江匡房(おおえのまさふさ) 1041–1111
大江匡衡の曽孫。学者として後三条・白河・堀河天皇に仕え、権中納言に至った。有職故実書『江家次第』を著した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第三・夏歌・200番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「神館にて郭公をきゝて」(神館で、ほととぎすの声を聞いて詠んだ歌)。
解説
作者の匡房は大江匡房。学者・歌人で、百人一首73番の作者。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、36頁(コマ28)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日