古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第三 夏歌 195番

郭公

大伴家持(おおとものやかもち)

ほととぎすが一声だけ鳴いて去っていった夜は、どうして人は安らかに眠ることができようか。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
中納言家持(大伴家持)
  1. 1郭公ほととぎす郭公ほととぎすほととぎす初句
  2. 2一ひと一ひとひと聲こゑ聲こゑこえなきてなきてなきて二句
  3. 3去い去いいぬるぬるぬる夜よ夜よよははは三句
  4. 4いかでかいかでかいかでか人ひと人ひとひとののの四句
  5. 5いいいをやすくをやすくをやすく寢ぬ寢ぬぬるるる結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

ほととぎすが一声だけ鳴いて去っていった夜は、どうして人は安らかに眠ることができようか。

意訳

ほととぎすが一声鳴いて飛び去った。もう一度鳴くのではないかと待つ気持ちで、とても安らかに眠ることなどできない。

語釈・文法注

去ぬる
去っていく。
いをやすく寢る
安眠する。「い」は眠り。

和歌

作者
大伴家持(おおとものやかもち) 718?–785
大伴旅人の子。越中守などを経て中納言に至った。『万葉集』の編纂に深く関わったとされ、同集に最も多くの歌を残す。繊細で抒情的な歌風で知られる。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第三・夏歌・195番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

反語
「いかでか人のいをやすく寝る」。

解説

『万葉集』巻十九の家持の歌の異伝とされる。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、35頁(コマ27)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日