古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 173番

柴の戶を

宮内卿(くないきょう)

柴の戸を閉ざすように差していた日の光も名残なく消え、春が暮れかかる、山の端の雲よ。

作者
宮內卿(宮内卿)
  1. 1山家暮春さんかのぼしゆん山家暮春さんかのぼしゆんさんかのぼしゅんといへるといへるといえる心こころ心こころこころををを詞書
  2. 2柴しば柴しばしばののの戶と戶ととををを初句
  3. 3さすやさすやさすや日ひ日ひひかけのかけのかげの二句
  4. 4名殘なごり名殘なごりなごりなくなくなく三句
  5. 5春はる春はるはるくれかゝるくれかゝるくれかかる四句
  6. 6山やま山やまやまののの端は端ははののの雲くも雲くもくも結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「山家暮春(山里の家の暮れていく春)」の心を詠んだ歌。

柴の戸を閉ざすように差していた日の光も名残なく消え、春が暮れかかる、山の端の雲よ。

意訳

山里の柴の戸を閉める夕暮れ、差していた日の光もすっかり消えてしまった。山の端にかかる雲の中に、春も暮れていこうとしている。

語釈・文法注

さすや
(戸を)閉ざす、と(日が)差す、の掛詞。
日かげ
日の光。
名殘なく
跡形もなく。

和歌

作者
宮内卿(くないきょう) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀初め)
源師光の娘。後鳥羽院に仕えた女房で、若くして歌才を認められ、千五百番歌合などで活躍したが、二十歳前後で亡くなったと伝えられる。「若草の宮内卿」と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・173番
歌体
短歌
状況
詞書「山家暮春といへる心を」(「山家暮春(山里の家の暮れていく春)」の心を詠んだ歌)。

修辞

掛詞
「さす」に「(戸を)鎖す」と「(日が)差す」を掛ける。
体言止め
体言止め。

解説

宮内卿の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、31頁(コマ25)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日