新古今和歌集 巻第二 春歌下 163番
かくてこそ
このようにしてこそ、いつまでも見ていたいものだ。万代までもかけて、人々が心を寄せる藤の花を。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕飛香舎で藤の花の宴がありました時の歌。
このようにしてこそ、いつまでも見ていたいものだ。万代までもかけて、人々が心を寄せる藤の花を。
意訳
飛香舎の藤の花の宴。こうして人々が集い、藤の花を楽しむ様子こそ、いつまでも見ていたい。万代までも栄えることを願って、人々が心を寄せる藤の花よ。
語釈・文法注
- 飛香舎
- 宮中の殿舎の一つ。庭に藤が植えられ、藤壺とも呼ばれた。
- 見まくほしけれ
- 見たい。「こそ」の結びで已然形。
- 萬代をかけて
- 万代にわたって。藤の花房が「懸かる」意を響かせる。
和歌
- 作者
- 醍醐天皇(だいごてんのう) 885–930
第六十代天皇。その治世は「延喜の治」とたたえられた。紀貫之らに命じて最初の勅撰和歌集『古今和歌集』を撰ばせた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・163番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「飛香舎にて藤花の宴侍りけるに」(飛香舎で藤の花の宴がありました時の歌)。
修辞
- 係り結び
- 「かくてこそ見まくほしけれ」。
- 縁語
- 「かけて」と「藤(の花房が懸かる)」。
解説
醍醐天皇の歌。藤原氏を象徴する藤の花に、御代の繁栄を重ねる。底本は第四句を「かけて偲べる」とするが、「かけてにほへる」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、29頁(コマ24)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日