古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 159番

駒とめて

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

馬を止めて、もう一度水を飲ませよう。山吹の花の露が加わっている、井手の玉川で。

詞書
「百首の歌奉りし時」(前の歌と同じ詞書)
作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1駒こま駒こまこまとめてとめてとめて初句
  2. 2なほなほなお水みづ水みづみずかはむかはむかわむ二句
  3. 3山吹やまぶき山吹やまぶきやまぶきののの三句
  4. 4花はな花はなはなののの露つゆ露つゆつゆそふそふそう四句
  5. 5井出ゐで井出ゐでいでののの玉たま玉たまたま川がは川がはがわ結句

引用の仕方

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現代語訳

馬を止めて、もう一度水を飲ませよう。山吹の花の露が加わっている、井手の玉川で。

意訳

井手の玉川のほとりで、馬を止めて水を飲ませる。山吹の花の露がしたたり落ちて混じった、その美しい川の水を、もう一度馬に飲ませてやろう。

語釈・文法注

水かはむ
水を飲ませよう。
井出の玉川
山城国(京都府井手町)の川。山吹と蛙の名所。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・159番
歌体
短歌
状況
詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。

修辞

本歌取り
「さ檜隈檜隈川に駒とめてしばし水飼へ影をだに見む」(古今集)をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

俊成の代表作の一つ。井手の玉川の山吹という伝統的な取り合わせを、旅人が馬を止める物語的な場面で描く。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、28頁(コマ24)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日