古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 155番

散りにけり

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

花は散ってしまった。ああ、誰を恨んでのことなのか、花の跡を訪ねて吹く春の山風よ。

詞書
「千五百番歌合に」(前の歌と同じ詞書)
作者
寂蓮法師
  1. 1散ち散ちちりにけりりにけりりにけり初句
  2. 2あはれうらみのあはれうらみのあわれうらみの二句
  3. 3誰たれ誰たれたれなればなればなれば三句
  4. 4花はな花はなはなのあととのあととのあととふふう四句
  5. 5春はる春はるはるののの山風やまかぜ山風やまかぜやまかぜ結句

引用の仕方

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現代語訳

花は散ってしまった。ああ、誰を恨んでのことなのか、花の跡を訪ねて吹く春の山風よ。

意訳

花はすっかり散ってしまった。それなのに春の山風は、まるで誰かを恨んでいるかのように、花の跡を訪ねて吹いている。花を散らしたのは自分なのに、と風を責める気持ちもこもる。

語釈・文法注

うらみの誰なれば
恨みの相手が誰だからといって。
あととふ
跡を訪ねる。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・155番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
体言止め
体言止め。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、28頁(コマ24)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日