新古今和歌集 巻第二 春歌下 147番
よし野山
吉野山は、花の古里となって人の訪れも絶え、花の散った空しい枝に春風が吹いている。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「残春(春の名残)」の心を詠んだ歌。
吉野山は、花の古里となって人の訪れも絶え、花の散った空しい枝に春風が吹いている。
意訳
かつて花の盛りには人々が訪れた吉野山も、花が散ってしまうと訪ねる人もいなくなった。何もない枝に、春風だけが吹いている。
語釈・文法注
- 花のふるさと
- 花が散って、古い里のように寂れた所。
- 跡たえて
- 人の訪れが絶えて。
- むなしき枝
- 花のなくなった枝。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・147番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「殘春の心を」(「残春(春の名残)」の心を詠んだ歌)。
解説
良経の歌。吉野の古い都の跡と、花の散った後の寂しさを重ねる。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、26頁(コマ23)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日