新古今和歌集 巻第二 春歌下 143番
花もまた
花よ、お前もまた、私と別れる春が来たら思い出してほしい。咲くたび、散るたびに、私がどれほど心を砕いてきたかを。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕花の歌として詠んだ歌。
花よ、お前もまた、私と別れる春が来たら思い出してほしい。咲くたび、散るたびに、私がどれほど心を砕いてきたかを。
意訳
自分がこの世を去る春が来たら、花よ、思い出してくれ。毎年、咲くのを待ち、散るのを惜しんで、心を尽くしてきたことを。花を愛し続けた生涯を、花に向かって語りかける。
語釈・文法注
- 別れむ春
- (私と)別れる春。自分が死ぬ時を思う。
- 心づくし
- あれこれと心を砕くこと。
和歌
- 作者
- 殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ) 1131?–1200?
藤原信成の娘。後白河天皇の皇女殷富門院亮子内親王に仕えた女房。多作で知られ、「千首大輔」と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・143番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「花の歌とてよめる」(花の歌として詠んだ歌)。
修辞
- 擬人法
- 花に呼びかける。
解説
殷富門院大輔の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、25頁(コマ22)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日