古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 141番

はかなさを

藤原実定(ふじわらのさねさだ)

はかなさを、ほかのものにたとえて言うまい。桜の花は咲いてはすぐに散ってしまう。ああ、世の中とはこういうものだ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
後德大寺左大臣(藤原実定)
  1. 1はかなさはかなさはかなさををを初句
  2. 2外ほか外ほかほかにもいはじにもいはじにもいわじ二句
  3. 3櫻花さくらばな櫻花さくらばなさくらばな三句
  4. 4咲さ咲ささきてきてきてははは散ち散ちちりぬりぬりぬ四句
  5. 5あはれあはれあわれ世よ世よよののの中なか中なかなか結句

引用の仕方

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現代語訳

はかなさを、ほかのものにたとえて言うまい。桜の花は咲いてはすぐに散ってしまう。ああ、世の中とはこういうものだ。

意訳

世のはかなさを言うのに、ほかのものを持ち出すまでもない。桜の花が咲いてはすぐに散るように、世の中もまたはかない。

語釈・文法注

外にもいはじ
ほかのものによって言うまい。
あはれ
感動詞。ああ。

和歌

作者
藤原実定(ふじわらのさねさだ) 1139–1191
右大臣藤原公能の子で、藤原俊成の甥。左大臣に至った。後徳大寺左大臣と呼ばれる。管絃にもすぐれ、『平家物語』には福原遷都の後に旧都を訪ねる逸話がある。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・141番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

体言止め
「あはれ世の中」。

解説

実定の歌。桜の散るさまを、世の無常そのものとして詠む。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、25頁(コマ22)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日