新古今和歌集 巻第二 春歌下 137番
八重匂ふ
八重に咲き匂う軒端の桜も、色あせてしまいました。風が散らすより前に、訪ねてくれる人がいればよいのに。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕家の八重桜を折らせて、惟明親王のもとに送った歌。
八重に咲き匂う軒端の桜も、色あせてしまいました。風が散らすより前に、訪ねてくれる人がいればよいのに。
意訳
わが家の軒端の八重桜も、盛りを過ぎて色あせてきた。風に散らされてしまう前に、訪ねてきて見てくれる人がいてほしい。花の枝に添えて、親王の訪れを促す。
語釈・文法注
- 八重匂ふ
- 八重に咲き誇る。
- うつろひぬ
- 色が変わってしまった。盛りを過ぎた。
- とふ人もがな
- 訪ねてくれる人があればなあ。
和歌
- 作者
- 式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・137番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「家の八重櫻を折らせて、惟明親王の許につかはしける」(家の八重桜を折らせて、惟明親王のもとに送った歌)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
解説
式子内親王が甥の惟明親王に送った歌。次の歌はその返歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、24頁(コマ22)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日