古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 136番

さそはれぬ

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

花見に誘っていただけなかった私のために残っていたのでしょうか。明日を待たずに消えてしまうはずの、雪のような花びらは。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1かへしかへしかへし詞書
  2. 2さそはれぬさそはれぬさそわれぬ初句
  3. 3人ひと人ひとひとのためとやのためとやのためとや二句
  4. 4殘のこ殘のこのこりけむりけむりけむ三句
  5. 5明日あす明日あすあすよりさきのよりさきのよりさきの四句
  6. 6花はな花はなはなのしらのしらのしら雪ゆき雪ゆきゆき結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕返歌。

花見に誘っていただけなかった私のために残っていたのでしょうか。明日を待たずに消えてしまうはずの、雪のような花びらは。

意訳

花見にお誘いいただけなかった私のために、この花びらは残っていたのでしょうか。業平の歌では「明日は雪となって降るだろう」と言いますが、これは明日より先に雪となった花です。

語釈・文法注

さそはれぬ人
誘われなかった人。自分のこと。
明日よりさきの
明日より前の。業平の歌の「明日は雪とぞ降りなまし」をふまえる。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・136番
歌体
短歌
状況
詞書「かへし」(返歌)。

修辞

本歌取り
業平の歌をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

良経の返歌。誘われなかったことを軽く恨みながら、院の心づかいへの感謝を伝える。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、24頁(コマ22)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日