新古今和歌集 巻第二 春歌下 133番
みよし野の
吉野の高い峰の桜が散ったのだなあ。吹く嵐までもが白く見える、春の夜明けよ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕最勝四天王院の襖絵の、吉野山を描いた所に添えた歌。
吉野の高い峰の桜が散ったのだなあ。吹く嵐までもが白く見える、春の夜明けよ。
意訳
吉野の高嶺の桜が散り、その花びらを含んだ嵐が白く見える。目に見えないはずの風が、花びらによって白く見える夜明けの景色。
語釈・文法注
- 最勝四天王院
- 後鳥羽院が建てた寺院。障子(襖)に名所の絵を描かせ、歌を添えた。
- 嵐もしろき
- 嵐までも白い。
和歌
- 作者
- 後鳥羽院(ごとばいん) 1180–1239
第八十二代天皇。譲位後に院政を行い、和歌所を置いて『新古今和歌集』の撰集を命じ、自らも撰歌と切継に深く関わった。承久の乱(1221)に敗れて隠岐に配流され、配所でも集の精選(隠岐本)を続けた。『新古今和歌集』では「太上天皇」と記され、三十三首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・133番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「最勝四天王院の障子に、吉野山書きたる所」(最勝四天王院の襖絵の、吉野山を描いた所に添えた歌)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
承元元年(1207)の最勝四天王院障子和歌での後鳥羽院の作。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、24頁(コマ22)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日