古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 129番

あふ坂や

宮内卿(くないきょう)

逢坂の関よ。梢の花を吹くとすぐに、嵐が花びらで霞んで見える、関の杉木立よ。

作者
宮內卿(宮内卿)
  1. 1關路花せきぢのはな關路花せきぢのはなせきじのはなををを詞書
  2. 2あふあふおう坂さか坂さかさかややや初句
  3. 3梢こずゑ梢こずゑこずえののの花はな花はなはなををを二句
  4. 4吹ふ吹ふふくからにくからにくからに三句
  5. 5嵐あらし嵐あらしあらしぞかすむぞかすむぞかすむ四句
  6. 6關せき關せきせきののの杉すぎ杉すぎすぎむらむらむら結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「関路の花」という題で詠んだ歌。

逢坂の関よ。梢の花を吹くとすぐに、嵐が花びらで霞んで見える、関の杉木立よ。

意訳

逢坂の関の梢の桜に嵐が吹きつけると、散る花びらで嵐そのものが霞んで見え、関の杉木立もかすんでしまう。

語釈・文法注

吹くからに
吹くとすぐに。
嵐ぞかすむ
嵐が(花びらで)霞む。

和歌

作者
宮内卿(くないきょう) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀初め)
源師光の娘。後鳥羽院に仕えた女房で、若くして歌才を認められ、千五百番歌合などで活躍したが、二十歳前後で亡くなったと伝えられる。「若草の宮内卿」と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・129番
歌体
短歌
状況
詞書「關路花を」(「関路の花」という題で詠んだ歌)。

修辞

本歌取り
「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ」(文屋康秀)をふまえる。
体言止め
体言止め。

解説

宮内卿の歌。風そのものが花で霞むという大胆な表現。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ21)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日