古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 120番

雁がねの

源重之(みなもとのしげゆき)

北へ帰る雁の羽ばたきの風が、花を誘って散らすのだろうか。雁が通り過ぎていく峰の花も残っていない。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
源重之
  1. 1雁かり雁かりかりがねのがねのがねの初句
  2. 2かへるかへるかえる羽風はかぜ羽風はかぜはかぜややや二句
  3. 3さそふらんさそふらんさそうらん三句
  4. 4過す過すすぎゆくぎゆくぎゆく嶺みね嶺みねみねののの四句
  5. 5花はな花はなはなももも殘のこ殘のこのこらぬらぬらぬ結句

引用の仕方

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現代語訳

北へ帰る雁の羽ばたきの風が、花を誘って散らすのだろうか。雁が通り過ぎていく峰の花も残っていない。

意訳

雁が北へ帰っていった後の峰では、花がすっかり散ってしまっている。雁の羽ばたく風が花を誘って散らしたのだろう。

語釈・文法注

羽風
鳥が羽ばたいて起こす風。
さそふらん
誘うのだろう。「や」の結びで連体形。

和歌

作者
源重之(みなもとのしげゆき) ?–1000?
清和天皇の曽孫。相模権守などの地方官を歴任し、陸奥で没した。冷泉天皇の東宮時代に献上した「重之百首」は、現存最古の百首歌とされる。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・120番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

重之の歌。帰雁と落花を結びつけて、春の終わりを描く。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、21頁(コマ20)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日