古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 116番

山里の

能因法師(のういんほうし)

山里の春の夕暮れに来てみると、入相の鐘の音とともに、花が散っていることだ。

作者
能因法師
  1. 1山里やまざと山里やまざとやまざとにまかりてよみにまかりてよみにまかりてよみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2山里やまざと山里やまざとやまざとののの初句
  3. 3春はる春はるはるののの夕ゆふ夕ゆふゆうぐれぐれぐれ二句
  4. 4來き來ききてみればてみればてみれば三句
  5. 5入相いりあひ入相いりあひいりあいののの鐘かね鐘かねかねににに四句
  6. 6花はな花はなはなぞちりけるぞちりけるぞちりける結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕山里に出かけて詠みました歌。

山里の春の夕暮れに来てみると、入相の鐘の音とともに、花が散っていることだ。

意訳

春の夕暮れ、山里を訪ねると、寺の入相の鐘が鳴り響き、その音に誘われるかのように桜の花が散っていた。鐘の音と散る花に、無常の思いがこもる。

語釈・文法注

入相の鐘
夕暮れに寺でつく鐘。日没を告げる。
花ぞちりける
「ぞ」の結びで連体形。

和歌

作者
能因法師(のういんほうし) 988–1050?
俗名は橘永愷(ながやす)。若くして出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。歌枕を集めた『能因歌枕』を著した。中古三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・116番
歌体
短歌
状況
詞書「山里にまかりてよみ侍りける」(山里に出かけて詠みました歌)。

解説

能因法師の代表作。鐘の音という聴覚と散る花の視覚を結びつけ、山里の春の夕暮れの寂しさを描く。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、21頁(コマ20)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日