古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 115番

散り散らず

祝部成仲(はふりべのなりなか)

散ったのか散らないのか、はっきりしないのは、春霞が立つ竜田山の桜であったよ。

作者
祝部成仲
  1. 1花はな花はなはなののの歌うた歌うたうたよみよみよみ侍はべ侍はべはべりけるにりけるにりけるに詞書
  2. 2散ち散ちちりりり散ち散ちちらずらずらず初句
  3. 3おぼつかなきおぼつかなきおぼつかなきははは二句
  4. 4春霞はるがすみ春霞はるがすみはるがすみ三句
  5. 5龍田たつた龍田たつたたつたののの山やま山やまやまののの四句
  6. 6櫻さくら櫻さくらさくらなりけりなりけりなりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕花の歌を詠みました時の歌。

散ったのか散らないのか、はっきりしないのは、春霞が立つ竜田山の桜であったよ。

意訳

竜田山には春霞が立ちこめていて、桜が散ったのかまだ咲いているのか、はっきりとわからない。霞に隠れた山の桜を気づかう心を詠む。

語釈・文法注

おぼつかなき
はっきりしない。気がかりだ。
春霞
「立つ」ことから「龍田」にかかる。

和歌

作者
祝部成仲(はふりべのなりなか) 1099–1191
近江の日吉社の神職(禰宜)。歌林苑の歌人と交わり、多くの歌合に出詠した。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・115番
歌体
短歌
状況
詞書「花の歌よみ侍りけるに」(花の歌を詠みました時の歌)。

解説

作者の成仲は日吉社の祝部(神職)。底本は第四句を「龍田の山の」とするが、「たなびく山の」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、21頁(コマ20)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日