新古今和歌集 巻第二 春歌下 114番
またや見む
またこの景色を見ることがあるだろうか。交野の御野で桜狩りをして、花びらが雪のように散る春の夜明けを。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕摂政太政大臣(良経)の家で、五首歌を詠みました時の歌。
またこの景色を見ることがあるだろうか。交野の御野で桜狩りをして、花びらが雪のように散る春の夜明けを。
意訳
交野の御料地で桜を求めて歩く夜明け、花が雪のように散りしきる。老いた身には、この美しい景色をまた見られるかどうかわからない。散る花と、限りある命への思いが重なる。
語釈・文法注
- またや見む
- 「や」は疑問。また見るだろうか。
- 交野のみ野
- 河内国の交野の、皇室の狩り場。桜の名所。
- 櫻がり
- 桜を訪ね歩いて観賞すること。
和歌
- 作者
- 藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・114番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「攝政太政大臣の家に、五首の歌よみ侍りけるに」(摂政太政大臣(良経)の家で、五首歌を詠みました時の歌)。
修辞
- 初句切れ
- 初句切れ。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
建久六年(1195)、俊成八十二歳の作。俊成の代表作とされ、老境の感慨と華やかな春景が溶けあう。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、20〜21頁(コマ20)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日