新古今和歌集 巻第二 春歌下 113番
このほどは
このごろは、知っている人も知らない人も、道を行き交う人の袖は、みな花の香りがすることだ。
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現代語訳
〔詞書〕守覚法親王が五十首歌を詠ませました時の歌。
このごろは、知っている人も知らない人も、道を行き交う人の袖は、みな花の香りがすることだ。
意訳
花の盛りのこのごろは、知り合いも見知らぬ人も、道を行き交う人々の袖からは、みな花の香りがする。誰もが花見に出かけている春のにぎわいを描く。
語釈・文法注
- 知るも知らぬも
- 知っている人も知らない人も。
- 玉鉾の
- 「道」にかかる枕詞。ここでは「行きかふ」を導く。
和歌
- 作者
- 藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)) 1158–1237
藤原俊成に和歌を学び、定家と並ぶ新古今時代の代表的歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。温雅で清澄な歌風で、生涯に六万首を詠んだと伝えられる。晩年は出家して壬生二品と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・113番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「守覺法親王、五十首の歌よませ侍りける時」(守覚法親王が五十首歌を詠ませました時の歌)。
修辞
- 本歌取り
- 「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」(蝉丸、百人一首10番)をふまえる。
解説
家隆の歌。蝉丸の歌のことばを借りて、花見の人々の行き交う都のにぎわいを描く。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、20頁(コマ20)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日