古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二 春歌下 107番

山櫻

伊勢(いせ)

山桜が散って雪と見分けがつかなくなったなら、どれが花なのかと、春に尋ねてほしいものだ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
伊勢
  1. 1山櫻やまざくら山櫻やまざくらやまざくら初句
  2. 2散ち散ちちりてみりてみりてみ雪ゆき雪ゆきゆきににに二句
  3. 3まがまがまがひなばひなばいなば三句
  4. 4いづれかいづれかいずれか花はな花はなはなととと四句
  5. 5春はる春はるはるににに問と問ととはなむはなむわなむ結句

引用の仕方

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現代語訳

山桜が散って雪と見分けがつかなくなったなら、どれが花なのかと、春に尋ねてほしいものだ。

意訳

山桜が散り、降る雪と見分けがつかなくなったら、どちらが花なのか、春に尋ねてほしい。花のことは春がいちばんよく知っているだろうから。

語釈・文法注

まがひなば
見分けがつかなくなったら。
問はなむ
「なむ」は他に対する願望の終助詞。尋ねてほしい。

和歌

作者
伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第二・春歌下・107番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

見立て
散る桜を雪に見立てる。
擬人法
擬人法。

解説

伊勢の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、19頁(コマ19)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日