新古今和歌集 巻第二 春歌下 101番
はかなくて
むなしく過ぎてしまった年月を数えてみると、花のことでもの思いをする春を、ずいぶん重ねてきたことだ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌に詠んだ歌。
むなしく過ぎてしまった年月を数えてみると、花のことでもの思いをする春を、ずいぶん重ねてきたことだ。
意訳
これまでの人生をふり返ると、何をなすでもなく過ぎてきた。思えば、春が来るたびに花を見てはもの思いにふけることばかりをくり返してきた。
語釈・文法注
- はかなくて
- むなしく、とりとめもなく。
- 過ぎにし方
- 過ぎ去った時。過去。
- 經にける
- 経てきた。「ぞ」の結びで連体形。
和歌
- 作者
- 式子内親王(しょくしないしんのう) ?–1201
後白河天皇の皇女。賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学び、内に秘めた激しい情を静かな調べで詠んだ。『新古今和歌集』に女性歌人として最も多い四十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第二・春歌下・101番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌に」(百首歌に詠んだ歌)。
修辞
- 係り結び
- 「春ぞ経にける」。
解説
式子内親王の歌。花にもの思う春を重ねてきた人生を、静かな哀感をこめて振り返る。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、18頁(コマ19)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日