古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 98番

朝日影

藤原有家(ふじわらのありいえ)

朝日の光に照り映えている山の桜の花を、平然として消えない雪かと見ることだ。

朝日に照り映える山の桜が、消え残る白雪のように白く輝いている場面
朝日に照り映える山の桜が、消え残る白雪のように白く輝いている場面
詞書
「千五百番歌合に」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原有家朝臣(藤原有家)
  1. 1朝あさ朝あさあさ日ひ日ひひ影かげ影かげかげ初句
  2. 2にほへるにほへるにおえる山やま山やまやまののの二句
  3. 3櫻花さくらばな櫻花さくらばなさくらばな三句
  4. 4つれなくきえぬつれなくきえぬつれなくきえぬ四句
  5. 5雪ゆき雪ゆきゆきかとぞかとぞかとぞ見み見みみるるる結句

引用の仕方

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現代語訳

朝日の光に照り映えている山の桜の花を、平然として消えない雪かと見ることだ。

意訳

朝日に照らされて山の桜が白く輝いている。雪なら朝日に当たればすぐ消えるはずなのに、消えずに残っている。まるで朝日にも動じない雪のようだ。

語釈・文法注

朝日影
朝日の光。
にほへる
照り映えている。「る」は存続の助動詞「り」の連体形。
つれなく
平然として。

和歌

作者
藤原有家(ふじわらのありいえ) 1155–1216
藤原重家の子で、六条藤家の歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。大蔵卿に至った。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・98番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

見立て
山の桜を、朝日にも消えない雪に見立てる。

解説

有家の歌。巻第一の最後に置かれ、次の巻第二の桜の歌へとつなぐ。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、17頁(コマ18)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日