古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 96番

いそのかみ

源通具(みなもとのみちとも)

石上の布留野の桜は、誰が植えて、春を忘れずに咲く形見となっているのだろうか。

石上の布留野に桜が咲き、植えた人の面影を春ごとに伝えている場面
石上の布留野に桜が咲き、植えた人の面影を春ごとに伝えている場面
作者
右衞門督通具(源通具)
  1. 1千五百番せんごひやくばん千五百番せんごひやくばんせんごひゃくばん歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2いそのかみいそのかみいそのかみ初句
  3. 3ふるふるふる野の野ののののの櫻さくら櫻さくらさくら二句
  4. 4たがたがたがうゑてうゑてうえて三句
  5. 5春はる春はるはるははは忘わす忘わすわすれぬれぬれぬ四句
  6. 6形見かたみ形見かたみかたみなるらむなるらむなるらむ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ歌。

石上の布留野の桜は、誰が植えて、春を忘れずに咲く形見となっているのだろうか。

意訳

石上の布留野に咲く桜は、昔の誰が植えたのだろう。植えた人はもういないが、桜は毎年春を忘れずに咲き、その人の形見となっている。

語釈・文法注

いそのかみ
「ふる」にかかる枕詞。
ふる野
大和国の布留(ふる)の野。「古る」を響かせる。
たがうゑて
誰が植えて。
形見なるらむ
形見なのだろうか。

和歌

作者
源通具(みなもとのみちとも) 1171–1227
内大臣源通親の子。大納言に至った。『新古今和歌集』の撰者の一人で、撰者名の筆頭に挙がる。妻は歌人の俊成女。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・96番
歌体
短歌
状況
詞書「千五百番歌合に」(千五百番歌合に詠んだ歌)。

修辞

枕詞
「いそのかみ」が「ふる」にかかる。

解説

通具の歌。底本は第三句を「たがうゑて」とするが、「たれうゑて」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、17頁(コマ18)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日