新古今和歌集 巻第一 春歌上 91番
しら雲の
白雲が、春はいっそう重なって立つ竜田山から見ると、小倉の峰に花が咲き匂っているらしい。

現代語訳
〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。
白雲が、春はいっそう重なって立つ竜田山から見ると、小倉の峰に花が咲き匂っているらしい。
意訳
竜田山には春になると白雲がいく重にも立つ。その雲のように見えるのは、小倉の峰に咲いた桜の花らしい。
語釈・文法注
- かさねて
- 重ねて。いっそう。
- たつ田山
- 「(白雲が)立つ」と「竜田山」を掛ける。
- をぐらの嶺
- 小倉山。竜田山の近くにあるとされた山。
- にほふらし
- 「らし」は根拠のある推量。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・91番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。
修辞
- 掛詞
- 「たつ」に「(雲が)立つ」と「竜田山」を掛ける。
- 見立て
- 見立て。
解説
正治二年(1200)の百首歌での定家の作。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、16頁(コマ18)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日