新古今和歌集 巻第一 春歌上 92番
吉野山
吉野山では、花が盛りに咲き匂っているのだろうか。古い里を離れずにかかっている峰の白雲は。

現代語訳
吉野山では、花が盛りに咲き匂っているのだろうか。古い里を離れずにかかっている峰の白雲は。
意訳
吉野の古い里のあたりの峰に、白雲がずっとかかったまま離れない。あれは、吉野山の桜が今を盛りと咲いているからなのだろう。
語釈・文法注
- 花や
- 「や」は疑問の係助詞。
- 故鄕さらぬ
- 古い里を離れない。
和歌
- 作者
- 藤原家衡(ふじわらのいえひら) 1180–1240?
藤原経家の子。後鳥羽院の歌壇で活躍し、千五百番歌合などに出詠した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・92番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 見立て
- 峰の白雲を桜の花に見立てる。
- 倒置法
- 倒置法。
解説
底本は第四・五句を「故鄕さらぬ嶺の白雲」とするが、「ふるさとさえぬ峰の白雪」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、16〜17頁(コマ18)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日