新古今和歌集 巻第一 春歌上 77番
あら小田の
荒れた田に残る去年の古い根の古い蓬が、今は春だというので、新しい芽を出したことだ。

現代語訳
荒れた田に残る去年の古い根の古い蓬が、今は春だというので、新しい芽を出したことだ。
意訳
手入れされずに荒れた田に、去年の古い蓬の根が残っていた。春が来たので、そこから新しい芽が萌え出した。荒れ地の小さな生命の芽生えに春を感じる。
語釈・文法注
- あら小田
- 荒れた田。「を」は接頭語。
- 古根
- 古い根。
- ひこばえ
- 切り株や古い根から新しく出た芽。
和歌
- 作者
- 曽禰好忠(そねのよしただ) 生没年未詳(十世紀後半)
丹後掾を務めたことから曽丹と呼ばれた。古語や俗語を交えた斬新な歌風で、当時は異端視されたが、新古今時代に高く評価された。百首歌・毎月集の形式を試みた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・77番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
作者の好忠は、古語や農村のことばを大胆に用いた歌人。底本は第二句を「去年の古根の」とするが、「去年の古跡の」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、14頁(コマ17)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日