新古今和歌集 巻第一 春歌上 75番
靑柳の
青柳の糸のような枝に玉を通したように置く白露のように、知らないでいるうちに、いったい幾代の春を経てきたのだろうか。

現代語訳
青柳の糸のような枝に玉を通したように置く白露のように、知らないでいるうちに、いったい幾代の春を経てきたのだろうか。
意訳
柳の細い枝に白露が玉のように連なっている。その柳は、どれほど多くの春を重ねてきたのだろう。白露の「しら」から「知らず」へと音でつなぎ、柳の古さを思いやる。
語釈・文法注
- 玉ぬく
- 玉に穴をあけて糸に通す。
- 白露の
- 「しら」の音で「知らず」を導く。
- 經ぬらむ
- 経てきたのだろう。
和歌
- 作者
- 藤原有家(ふじわらのありいえ) 1155–1216
藤原重家の子で、六条藤家の歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。大蔵卿に至った。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・75番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「千五百番歌合に、春の歌」(千五百番歌合に詠んだ春の歌)。
修辞
- 序詞
- 「青柳の絲に玉ぬく白露の」が同音の「知らず」を導く。
解説
有家の歌。柳を糸、露を玉にたとえる伝統的な趣向を、序詞として用いている。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、14頁(コマ17)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日