新古今和歌集 巻第一 春歌上 74番
白雲の
白雲の切れ間になびく青柳の、その葛城山に、春風が吹いている。

現代語訳
〔詞書〕千五百番歌合に詠んだ春の歌。
白雲の切れ間になびく青柳の、その葛城山に、春風が吹いている。
意訳
葛城山にかかる白雲の切れ間に、山すその青柳がなびいているのが見える。春風が吹いて、雲も柳も揺れ動く。「青柳の」から「葛城山」へと、柳の枝を「かづら」(髪飾り)にする連想でつなぐ。
語釈・文法注
- 葛城山
- 大和と河内の境にある山。
- 青柳の
- 「青柳の枝を鬘(かづら)にする」ことから、「葛城(かづらき)」を導く。
和歌
- 作者
- 藤原雅経(飛鳥井雅経)(ふじわらのまさつね) 1170–1221
藤原頼経の子。『新古今和歌集』の撰者の一人。蹴鞠の名手で、和歌と蹴鞠の家である飛鳥井家の祖となった。鎌倉に下って源実朝とも交わった。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・74番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「千五百番歌合に、春の歌」(千五百番歌合に詠んだ春の歌)。
修辞
- 序詞
- 「白雲のたえまになびく青柳の」が「葛城山」を導くとみることもできる。
解説
千五百番歌合(建仁元〜三年ごろ)での作。作者の雅経は撰者の一人で、蹴鞠の名手としても知られた。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、14頁(コマ17)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日